OILSEAL

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"Teaching novice engineers how to us an oil seal."

いがいと忘れているオイルシールの使い方

オイルシール

オイルシールの使い方は、簡単な様で意外な落とし穴も多い物です、オイルシールの形状、種類は JIS B 2402で決められていますが、色々種類も多く悩む事も多いものです。 応用編は先輩に相談しても恥ずかしく無いと思いますが、しかし、何といっても基本が命...。

オイルシールは油は入っている部分にシャフトを通した時、油を外に漏らさない様に考えられたものです。 シャフトの回転する所に使うケースの他、ショックアブソーバの様にシャフトが往復動作する所に 使うものが有ります。
オイルシールと表現する場合、ほとんど焼き付け型の事を指します、これとは区別しシールリングと呼ばれる GS型、ZF型、フエルトシールが有ります、時にはVリングも含めて表現するケースが有ります。

オイルシールは市販品で安価です、(でもゴムの材質がフッソ製のものはギョギョ高〜い)
メーカ間の性能差もほとんど有りません、基本をレビューしてうまく使いましょう....


** 一般的オイルシールの寿命 **

概念的には長いと評価されています。
しかし、寿命を構成する因子はかなり有り、一つ間違えると事の他短寿命に終わります。

因子の数々
シール部位の"周速は"8〜16m/sで意外と高速まで対応します。
オイルシールのタイプによって許容周速に差は有りますが、経験的に言えば上限値の10%以下がベターです。
あるメーカの説明によれば、摺動摩擦による発熱量で周速、耐熱性を判断しているとの事でした。

シール面の加工は重要で"規則性の無い研磨"が要求されます。
研磨の程度も重要でコストが掛かっても、この部分は慎重に考慮して下さい。

変身..間違えました"偏心(軸の振れ)"も寿命に深刻に影響します。
オイルシールは"しめ代"を持っています、しめ代や、しめ付け力を多くしても シール性は良くなりません、むしろ"摩耗を促進する"だけで意味が有りません。
偏心も同様で必要の無い、しめ代や、しめ付け力のを使う事になり早期にシール性が低下します。

必ず考慮すべき点として"潤滑"が有ります、潤滑の無いシールは短期間に摩耗しシール性が無くなります。
オイル潤滑がベストです、グリースでも可能ですがリップにいつもグリースが回る様配慮が必要です。

意外と気の付かないのが"内部圧力"です、0.3kg/cm2が通常最大です。 温度変化も考慮し、必ず実測して確認します。

寿命を考えていたら、注意点は概ね出た様です。
一見難しそうですが、はい難しいです...比較的精度良く機械加工されている所に取り付けた場合、 安価でほとんど漏れの無いものが出来上がります。

** おまけ **

フェルトシール
グリースのシールを目的としているので、シール性はあまり"期待出来ません"
ラフに使用出来て安価、簡単に取り付け可能で振動にも割に強いが"寿命は短く"低周速にしか使用できません。

オイルシールは色々な応用例が報告されていますが"理屈抜き"の部分は失敗原因となります。
充分注意しましょう。




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