| 開催場所 | 京都府 |
|---|---|
| 開催日時 | 平成7年9月23〜24日 |
| 幹事 | ヤダモン |
| 参加メンバー | 副会長、なぞラー、−蹄鉄−、杉山ぽつねん |
| ルポ執筆 | −蹄鉄− |
23日午後3:20分頃、そろそろでようかと思う。 というわけで、関西OFFのお話です。
とりあえずヤダモンのところへ電話して、お互いの服装を確認する。 彼は肌色のポロシャツを着てくるそうだ。それを頭において家をでる。 時間は少し早かったが、遅れるよりはましだと思ったので早めに出た。案の定早く出過ぎた為、一時間も早くついてしまった。とりあえず京都駅で目印となる大スポを購入。 前日ヤダモンがUPしていた地図をなんとなく思い出してみる。 確か伝言板がどうのこうの...さっぱり覚えていない。出る前に確認しておけばよかったと後悔。 しかし今更どうしようもないのでとりあえず烏丸中央出口を目指す。
ところがここでアクシデント、ヤダモンのUPした地図の確認を怠ったために、 階段を昇らなければいけないところを降りてしまった。降りる途中の看板には 「烏丸中央出口(東出口)」と書いてあった。東出口というのが少し気になったが、 きちんと中央出口と書いてあるし大丈夫だろうとそのまま地下へ。 降りきったところにも看板がありそこにも「烏丸中央出口(東出口)」の文字が。
うむ、こっちでいいんだなと思いつつ外へでる。確か改札を出たすぐの所だったような気がするのでそこで待つことにする。 30分たって6時。あと30分、電話でヤダモンが少し早く着くかもしれないと言っていたので少し歩き回る。
該当者らしき人物は発見できなかった。どうも東出口の文字が気になるなと思いつつ歩いていると 「烏丸中央出口」の文字が目に入る。しかも矢印の方向は今きた道と違う方向を指している。 とたん不安がよぎる。間違えたか?とりあえずその矢印の指し示す方向に歩いていくとなにやらにぎわった所へでる。 案内所などが軒を連ねているのを見てこっちが本物だということを確信する。
曖昧な記憶に基づく伝言板を探してみる。 ない もしかしてここも違うのか!?
しかし外には京都タワーがそびえ立っている。これだけははっきり覚えていた。多分ここだろうとあたりをつけ、 待ってみることにする。とりあえず先程購入した大スポを広げて読んでみる。10分程読んでいたが誰も声をかけてこない。かなり不安になる。
時間は6:30。こうなれば副会長だけでも探そうと思い、入場券を買ってホームへ。 少し歩いたところで目印の肌色のポロシャツをきた人を発見。あれか? 確認の為大スポを少しみやすいようにして歩く、こちらを見るが反応無し。 違うか...。とりあえず副会長を探すことに専念することにする。
しかし、また重大なミスに気付く。何時の電車でどこに着くかがわからない。 愕然とする。このままでは中止!?それは避けなければならない。 そう思ったときに先程の男の顔が浮かんだ。とりあえず声をかけてみよう。 だめだったら放送で呼び出してもらうことを決意し来た道を戻る。遠くに先程の男が見える。むこうもこちらを見ている。近づいたときに男が先に声をかけてきた。
「肥爪さんですか?」男は私の名前を知っていた。そう、彼がヤダモンだったのだ。私の心の中に安堵感が広がった。 とりあえずこれで中止はまぬがれる。
「いやー、探しましたよ。掲示板がなかなか見つからなくて...。」やはり全然違っていた。掲示板ではなく案内板だったのだ。
「え?わたしそんなこと書いてました?」
自分の愚かさにほとほとあきれかえった。しかしとりあえず合流できたのでよしとする。 ここで軽く話をしながら改めて彼を観察することにした。
体形は自分でUPするとおりわたしに負けず劣らずの太りかた。顔は一見怖そうなお兄さんにみえるが、 話をするとそうではないとわかる。
しばらく話をして待っていたが誰もやってこない。 事前の打ち合わせにより何かあったらヤダモン宅の留守番電話にメッセージを入れることになっていたので、 ヤダモンに確認にいってもらうことにした。帰ってきた彼はこういった。「杉山ぽつねんさんが来ている。どこかにいるはずだ。」
私は自分で間違えた場所にいるのではないかと思い、いってみることにした。 何人かそれらしき人物がいる。手荷物を携えたもの、リュックをしょっているもの、あたりを見回しているもの。 とりあえず何人かに声をかけてみた。
「JRAの方ですか?」
すごく不審な顔をされる。4人ほどに声をかけたが、 結局ここにはいなかった。 しかたなく戻るとヤダモンの隣に少し背の高い男が立っていた。わたしは瞬時にその男が副会長だと悟った。
「副会長ですか?」
私が聞くと彼は返事をするとともに名刺をさしだした。「そうです。これ、そうぞ。」 何気なく受け取ったが少し疑問がわく。副会長は今職についていなかったのでは? そう思いながら名刺を見るとそこにはこう書かれていた。「JRA 副会長 大田貴之」 驚きと共に笑いがおこった。彼の今回の秘密アイテムとはこの名刺だったのだ。 わざわざ名刺を用意するとはあなどれない男である。挨拶もつかの間、 どうやら副会長となぞラーは先程合流したらしく改札の前で彼が待っているのでとりあえずそこにむかい、 ぽつねんは放送で呼び出してもらうことにしようということになった。
改札のむこうに一人の男の子が立っていた。なぞラーである。彼は私の想像どおりの人物であった。 とりあえず彼と改札ごしに握手をし、改札を出るとなぞラーの横に握手しているときにはいなかった人物がいた。「ぽつねんさん?」
その人物はうなずいた。今回一番予想とは違った人物だった。話を聞いてみるとなぞラーは大スポを読んでいる私を見たが声をかけなかったそうだ。 声さえかけてくれればこんなに大変な思いをせずにすんだのにと思ったが、よしとしよう。
「それではとりあえず飯食いにいきますか。」
その声をきっかけに5人は歩きだした。このあと自分たちにとんでもない出来事がおこるとも知らずに...。
とりあえず一行は四条河原町へと向かうべくタクシーへと乗り込んだ。
2台にわけて乗ったのだがわたしのグループはわたしとなぞラーだった。 目的地につくまでにいろいろ話をしたのだがわたしにとって難しい話ばかりだったので詳細はよく覚えてはいない。 とりあえずわたしの予想どおりの風貌だったなぞラーを観察。以前電話したときに寝惚けた声だったとUPしたら、 少し前に寝ていたとの反論があったがやはり普段から少し寝惚けた感じだった。非常に細く、 わたしの体重をわけてあげたいと思った。髪の長さや顔付き、眼鏡をかけているというところまでわたしの予想どおりだったのは非常に驚いたがこのことは誰にもいっていない。 彼は謎の人だがこれで7割ぐらい謎ではなくなってしまった。そんなわけのわからないことを考えているとすでに目的地についていた。 タクシーを下りるとそこはすでに京都真っ盛り。とりあえずヤダモンを先頭に目的地へ向かった。
あやしい裏路地を通り抜けるとそこに今回のOFFの最大の難所であった「GAIA」(だったっけ?)があった。 店の前に立て掛けてある看板には「食べ放題1980円!」という文字とともにうまそうな肉の写真が貼ってあった。 空腹により冷静な判断ができなくなっていた一行はついついその「食べ放題!」という文字とその肉の写真にひかれてしまっていた。 完全に店側の勝利である。もうそのときのわたしたちには他の店へ行ってみるという判断ができなくなっていた。 ここ以外に立寄る店無し。なにかそういう強迫観念にかられていたような気さえする。とりあえず中に入るとレジがあり何人か待っている客がいた。「すいません、5人なんですけども」
「30分ほど待っていただけますでしょうか?」他へ行っても同じだろうと思った(実は店側のマインドコントロールによる思い込み)のでそこで待つことにした。 30分。もうそろそろいいんじゃないかということでもう一度店へ向かう。しかしまだ準備ができていないとのこと。 5人分の席の確保は難しいのか他のカップルや3人の客はわたしたちより先にどんどん入っていく。
ようやくわたしたちの席が確保できたようだ。店員の案内で店内へ。急で狭い階段を下りていく。 ここで火事が起きたら確実に逃げ遅れて沢山のウェルダンの死者がでることだろう。 そんなことを思いながらさらに階段を下りていくと、そこにはさながら地獄絵図のような光景が広がっていた。 長く鋭い剣のようなものに肉を串刺しにしてそれを持って走り回る若い店員。むさぼるように肉を喰らう客。 なにか少し怖い印象を受けたが、店そのものの作りがディスコのような感じだったので、 もしかしたら以前はディスコでつぶれてしまった店の借金をこういうやり方で回収にきているのではないかという邪推が心を落ち着かせた。
階段を下りきる前にディスコがつぶれる前には多分VIPと呼ばれる人間が入っていたのであろう、 位置的には中途半端だがそれなり店内の様子がわかる部屋へ案内された。部屋といっても完全に区切られた空間ではなく、 出入り口は先程の若い店員が相変わらず肉を持って走り回れるようにドアは開けっ放しにしてある。 多分存在する空間すべてに客を放り込んでいるのであろう。と、ここまで書いているときにわたしの脳裏に今までの邪推を完全なものとする出来事を思い出した。 それは一番はじめに「5人なんですけど」と聞いたときに確かに店員は電話でこう言っていた。「VIP5人なんですけどもいけますか?」
わたしは非常に不自然な会話だったのを覚えている。突然やってきた5人の男に対してなぜ「VIP」の3文字を使うのだろう? 答えは簡単だった。わたしの邪推どおり「VIP」とは客のランクではなく部屋の名前だったのだ。 多分ディスコ時代の名残であろう。とりあえず客を入れるのはいいが呼び名を改めてつけるのもめんどくさいのでそのまま 「VIP」としたのだ。邪推が確信に変わっていくと、この不自然な作りも納得できる。 話がだいぶそれたみたいなので元に戻そう。
とりあえず席に着く。部屋を見回すとおよそ13畳ぐらいの広さにテーブルが五つ。
そのうち二つはカップルが座っていた。別の一つには同じ様な6人ぐらいの団体客。 わたしたちのすぐ隣の6人ぐらい座れる席は開いていた。とりあえず店員が食べ放題になさいますかと聞いてくる。 しかし与えられたメニューと呼ばれるしろものには選択権というしゃれたものはなかった。
そこにはそのメニューの6割を占める大きさで、食べ放題のセットメニューが書いてあるだけで食べ放題以外にはドリンク類しか書いていなかったのだ。「すいません、食べ放題じゃないやつをお願いします。」
とでも言ってやろうかとも思ったがこんなところでごねてもしかたがないので素直に食べ放題とセットメニューとしてパスタ・ピラフ食べ放題とドリンク飲み放題というのにした。 3分もせずにでかい皿を持った男がやってくる。「ポテトをおくばりします。」そういうと同時に非常に乱暴に各自の皿へポテトが配られる。 次にサーベルに突き刺されたウインナーが運ばれてきた。これも乱暴。そして肉。間発入れず次々に食べ物が運ばれてくるので早く皿を空けておかないと次の料理 (?)が配られないのでみんなつい必死になって食べていた。その光景はさながら養鶏場のようなものだったであろう。
そうこうしている間に問題の男がやってきた。彼は2本のサーベルを手に持ち、 そこには大量のコーンが刺さっていた。彼は従来どおり勢いのみでやってきてこう言った。
「コーンはいかがですか?」
拒む理由などあろうはずもない。少し体を引いて男がコーンを皿に入れやすいようにしてやる。 まず男はなぞラーの皿の上にサーベルを突き立ててフォークのようなものでその突き刺さっているコーンを皿の上へ落とす。 そしてわたしの皿にもコーンが落とされる。そしてその次がヤダモン。まさかわれわれ5人がそのときにこんな恐ろしい体験をするとは誰も思っていなかっただろう。 もちろんその店員も予想だにしなかったはずだ。
店員がヤダモンの皿の上にコーンを落としたその刹那、悲劇は起こった。 他の4人はどう思ったのかは知らないがわたしの時間はそこで一瞬止まった。 とんでもない事が起きたとわたしは思った。しかしまさかそれが序曲だとはわたしは知るよしもなかった。店員がヤダモンの皿の上にコーンを落とした。コーンは店員の力に負けて仕方なくサーベルから離れたように見えた。 非常に不機嫌そうに皿の上に落ちたコーンはなんと皿の上で暴れだしたのだ。 その瞬間今まで平穏無事になんなく人生を過ごしてきて後は人間に食べられるだけという様子だったウインナーが皿から弾き飛ばされたのだ。 空を舞うウインナー。時の止まったわたし。そして多分同じ思いであったはずであろうヤダモン。 その時そこにいたすべての人間に悲しみをふりまきながらウインナーはゆっくりとそして軽やかにテーブルの上に横たわった。 今の今まで聞えていたはずの店内の他の客の話し声や店員の声が聞えなくなっていた。 煙で視界が悪くなっていたはずなのに、それもおさまっている。自分の中の感覚がすべてクリアになり目の前には先程のウインナーだけが転がっていた。 転がっているウインナーにすでに生気はなかった。 もう2度と口に運ばれることはない自分の運命を悟ったかのようにたたずんでいた。 ある日突然体中を細かくされて何か細い袋のようなものにつめこまれ、 何が自分に起こったのか把握できないままに同じような境遇のものたちが10人ぐらいにまとめられ、 さらに大きな袋に詰められどこかに運ばれる。運ばれる途中である程度仲良くなった10人は自分達の身に何が起こったのかを検討していると先程つめこまれた大きな袋が開かれる。 自由になるのかと思えば大きな熱せられた鉄板の上にのせられ身を焼かれる。 身をよじりながらなぜ自分がこんな酷い仕打ちを受けなければならないのかと考える。 一緒にやってきた仲間のなかには気を失うものもいた。ようやく火あぶりが終った。 とりあえずまだ全員生きているようだ。と、その時そのうちの一人が抱え上げられたかと思うと鋭く尖ったものに突き刺される。 自分の番がまわってきて体にするどい痛みが走るのとともにすべてを悟る。 自分は人間に食べられるんだ。今までたくさんの苦痛を味わってきたけどもようやく人間に食べられることによって開放されるんだ。 そう気付くとさっきまでひどく痛んでいた体が不思議と痛くなくなる。 皿の上に運ばれようやくすべてが終わりなんだと思ったそのとき、 上からふってきた黄色い物体によって自分の身はテーブルの上に弾き飛ばされる。 せっかくすべてが終ると思ったのに、これで救われると思ったのに。 そう思うと涙があふれて止まらない。次第に痛みも戻ってきた。 薄れゆく意識の中で最後に見たのは自分の姿を呆然と眺めている大柄な男だった。
と、ここまで勝手なストーリーを考えていたのだが女性の店員が先程頼んだドリンクを持ってきたことによって我に返った。 各自にドリンクが配られとりあえず乾杯となった。
「それではJRAの益々の発展と今月の発言数が1000を超えることを願って、かんぱーい」なごやかな雰囲気だった。しかしこの掛声が混沌の第2章の幕開けだったのだ。
「かんぱーい」なごやかな雰囲気の中皆がそれぞれのグラスに口をつける。 それぞれの注文したドリンクはなぞラーがスクリュードライバー、ぽつねんと副会長は水割り、 ヤダモンはなんだったか覚えていない。そして実は勢いで頼んだのでわたしのもなにかは正確には覚えていない。 確かジンが入ってるものだったように記憶している。
とりあえずポテトに塩の塊らしきものがあったのでわたしはいそいでその液体を喉へ流し込んだ。 グラスをテーブルの上に置く。残った肉を片付けようと思ったそのとき次の肉が例によって剣に突き刺された状態で運ばれてくる。 同じように表面を削り取るように肉を切る。切断面をみると中はまだまだ焼けていない状態。
「あのあたりはまだまだ生焼けだな」と思ったそのとき、 まさに今見つめていた部分が副会長の皿の中へ切り落とされていくではないか。 再び呆然とする。なにか体に悪そうだったので「あれ、大丈夫?」とヤダモンに聞くと 「牛やから。」との返事がかえってきた。「本当に牛なんだろうか?」 と思ったが犬を喰らう習慣もあるらしいのでほっておいた。とりあえず次々と料理が運ばれてくる中、 わたしの提案で各自の軽い自己紹介となった。ここで残りの2人、ぽつねんと副会長の観察をすることにした。 まずは副会長。本人がでぶだと言っていたがその分背丈もかなりあるので実にバランスのとれたがっちりという感じの体格だった。 髪には働いていた時の苦労の為か22才という若さにしてかなり白髪が混じっていた。 この白髪と体格が22才とは思えない風格をかもしだしていた。 顔は非常に親しみのわきやすい顔をしていた。わたしは心の中で彼のことを 「27才の風格を持った22才」と呼ぶことにした。
続いてぽつねん。彼はまさしく副会長と正反対、「22才の風格を持つ27才」であった。 体格は非常に小柄で、なぞラーとさほど差はない。 なにかおどおどとした感じが彼を27才には見せなかった。 とそこへパスタが運ばれてくる。
わたしは基本的に凝った洋食は食べないので名前がわからないのだがとりあえず食べてみた。 辛い。わたしは辛いのは苦手である。辛いものを食べると喉が渇くし、 なにより他の料理の味が飛んでしまうのが非常に腹が立つのだ。
ぶつぶついいながらドリンクに手を出す。グラスをテーブルにおいて食事の続きを楽しもうとした時、 わたしの中でなにか違和感が残った。「さっきからなにか違う。」 わたしはテーブルの上を見回す。原因はやはりドリンク意外に考えられない。 もう一度液体を口に含む。やはりそうだこれだったんだ、疑問が確信へと変わった。 それと同時になにかとんでもない秘密に気が付いたような気がした。 わたしはそれを確かめるべく恐る恐る口を開いた。わたしは自分が感じた違和感を回りに確かめるべく口を開こうとした。 しかし本当におかしいのだろうか?実はこれでOKなんじゃないか?
そう思うと話すに話せない。もう一度確かめてみた。やはりおかしい。 わたしは意を決し口を開いた。
「あのさー、これってアルコール入ってる?」わたしの感じた違和感というのはそれだったのだ。 前にも書いたがわたしの注文したものにはジンが入っているはずである。
しかし実際に運ばれてきたこの液体にはまったくアルコールが感じとれない。 なんど確かめてみてもその液体はグレープフルーツジュースとしか思えなかった。 わたしの声を聞いた瞬間皆の動きが止まった。わたしの勘違いか?不安がよぎる。
しかしやはりそう感じ取っていたのは他にもいたのである。 わたしの隣に座っていたなぞラーがわたしにこういった。
「僕のはオレンジジュースです。」わたしは彼のグラスを手に取り中の液体を口へ運んだ。言葉を失った。 確かにそれは明らかにオレンジジュースだったのだ。
「これってスクリュー・ドライバーやんな?」彼に確かめる。
「ええ。でもオレンジジュースです。」わたしの中でさらに邪推が確信へと変わっていった。 とそこへ副会長とぽつねんが声をそろえた。
「この水割りもほとんど水、というより水です。全然味がしない。」それも口に運んでみる。確かに味などない。それより匂いがしない。 色もうすく茶色がかっているだけで麦茶よりもうすい。すべてが明らかになった。 そう、ここは前述したとおり。以前はディスコだったのだがバブル崩壊後の不況で店がつぶれてしまい、 その赤字を回収するために作られた店だったのだ。
その証拠に一人5kgぐらい食べてもまだ元をとれそうにない肉。 完全に手を抜き倒している料理の数々。 多少達の悪いボッタクリの店でもしないような劣悪なドリンク類。 どれを取っても回収に全力を注いでいる店側の苦労が手に取るようにわかる。 しかしこのことがわかったときにはすでに遅すぎた。 わたしはもうこの状況を楽しむしか救われる方法がないと思った。 先程から私の所にくるポテトがどうも塩辛いのでもうやけくそ気分でドリンクを頼むことにした。
メニューを見る。一番最初に頼んだときには気付かなかったがそこにはさらにわたしを絶望のどん底へ陥れるだけの武器が用意されていた。 改めてこの店の恐ろしさを認識できるだけの武器だった。 しかしわたしにはもうそれを確かめるだけの勇気は残っていなかった。 わたしは店員を呼んで先程と同じものを頼んだ。 わたしが皿の上に残った料理をどれから片付けようかと目を落とした時に思いもしない発言が耳に飛び込んできた。
「ベサメムーチョ一つ。」わたしはその発言元を確かめるべく顔を上げた。 そこには不敵な薄笑いを浮かべたヤダモンがメニューを開いてもっていた。 わたしはあまりにも意外な状況に混乱した。
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